発症のキャッチ方法、病院での診察の受け方、認知症と診断された後の接し方、困った行動への対処、介護保険サービスの利用法など家族の立場にって平易に解説されている本です。2008年に初版が出版されましたが、認知症対応への変化や介護保険の改訂などもあり内容が大幅にリニューアルされています。
いろいろ認知症や介護について書かれていますが、
なかでも
一人暮らしの親に認知症の兆候が見えたら、呼び寄せが逆効果になることもる、
地元の協力を得ながら遠隔介護のプラン作り
には、こういった方法もあるのだととても勉強になりました。
また接し方のアドバイスとして、認知症の心の内をタイプ別(葛藤型、回帰型、遊離型)に書かれています。
うちの母の場合は、自己主張が苦手なタイプなので、「遊離型」だと思い読み進めました。
ちなみに、「遊離型」タイプは、
周りにも迷惑をかけず一見おとなしく静かな高齢者とみられます。
しかし人ととも交わらず、しだいに孤立していくので注意が必要だそうです。
こうしたタイプは、若いころからあまり自己主張をしてこなかった人や親や配偶者、子どもを一番にして周囲に自分を合わせて生きてきた人が陥りやすい状態だそうです。
たしかにうちの母はそういう感じのタイプだと思います。
特徴としては下記だそうです。
・声をかけても反応をしめさない
・一人でぶつぶつつぶやく
・風呂へ誘っても動かない
こういったタイプへの対応方法として
①散歩につれだし刺激を与える
②ガーデニングやベランダのフラワーポットなど園芸療法にトライ
③皮膚感覚を大切に(声をかけてときには優しく肩にてを回す、腰に手を置く、握手をするなど)
④デイサービスなどではスタッフに事情を話し、スキンシップを上手に取り入れてもらいながら活動を促す
と書かれています。
その他のタイプ
葛藤型は、
他人から認められ自信に満ちた過去の自分と、今の姿を受け止めきれずに葛藤が生じ、
回帰型は、
過去の誇らしい、あるいは、自分らしいと思う時代に戻ることで自分を保とうとする。
です。
また、ベテランケアマネジャーから介護家族へのアドバイスとして、
「在宅介護を選択し仕事を辞めてしまう方もいますが、何年も経ち財産などがなくなり家計が苦しくなっても再就職はむずかしい。自分の老後もあるので、安易に仕事をやめないでほしい」
とも書かれていました。
それぞれの事情も状況も違うと思いますが、たしかに、自分たちの老後もあるので自分たちのできる範囲で行っていくのがいいのかと思います。
最初、図書館で借りたのですが、手元に置いておきたく購入しました。
まったく認知症や介護の知識がないわたしにも、とてもわかりやすくて、読みやすく、購入してよかったです。
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