天才数学者の岡潔が書いたエッセイ。
図書館で借りました。
テレビで天才人物を取り上げた番組の中で、この方の名前を初めて知りました。
数学を理解できない私に読めるものだろうか?
と不安でしたが、内容は読みやすく、とても親しみが持てました。
冒頭で岡は、
「人の中心は情緒である。自らの情緒を外に表現することによって作り出す学問の芸術のひとつであって、知性の文字盤に、欧米人が数学と呼んでいる形式に表現するものである。」
数学者は情緒なんか興味がないのでは?
理論、計算といったことが重要であると思っているのでは?
と思い込んでいたので、すごく驚きました。
また、
岡が知人の家に訪れ、車で帰る途中、
「トンネルを抜けてそれまで見えなかった海がパッと見えた直下に、ぶつかっていた難問が解けた。自然の感銘と発見とはよく結びつくものらしい。」
実際、難問を解いている時ではなく、緊張が解けた時、自然と触れている時にひらめく。
とも。
凡人である私は、むしろ我武者羅に取り組んでいる時にひらめくものだと思っていました。
天才数学者の考えを垣間見れなんだか得をした気分になりました。
この番組を見なかったら(この本を紹介していなかったら)知りえなかっただろうなと思うと、
つくづく本との出会いは不思議なものだなと思います。
高校時代に挫折した数学をもう一度勉強したいと思っていたので、いいきっかけにもなりそうです。
「数学を上達するには大脳前頭葉を鍛錬しなければならいのは言うまでもない」、そうです。
前頭葉か・・・。
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